【図解】社労士がシンプルに解説!初めてでも分かる助成金・補助金の基礎知識

企業経営において「使える制度は最大限活用したい」というのが経営者の本音ではないでしょうか。特に助成金・補助金は、上手く活用すれば企業の成長を大きく後押しする強力な味方になります。

しかし実際には、「どんな制度があるのか分からない」「申請手続きが複雑そう」「自社が対象になるのか判断できない」といった理由から、せっかくの制度を活用できていない企業が非常に多いのが現状です。

私は社会保険労務士として多くの中小企業の助成金申請をサポートしてきましたが、適切な情報さえあれば、初めての方でも十分に活用できる制度がたくさんあります。実際、クライアント企業では年間数百万円の助成金を受給できたケースも少なくありません。

本記事では、助成金・補助金の基本から申請手続き、2024年最新の制度情報まで、図解を交えてわかりやすく解説します。この記事を読めば、あなたの会社でも明日から使える制度が必ず見つかるはずです。

1. 【初心者必見】書類作成から受給まで!社労士が教える助成金・補助金の手続きの流れ

助成金・補助金の活用を考えているものの、複雑な手続きに頭を悩ませている経営者や担当者は多いのではないでしょうか。この記事では、申請から受給までの流れを社労士の視点からシンプルに解説します。

まず助成金・補助金の申請手続きは大きく5つのステップに分けられます。

【ステップ1】制度の選定と要件確認
最初に、自社に適した助成金・補助金を選びます。厚生労働省や経済産業省のホームページ、またはハローワークや労働局で情報収集しましょう。要件を満たしているか細かくチェックすることがポイントです。

【ステップ2】計画書の作成・提出
多くの助成金では、実施前に「計画書」の提出が必要です。キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金などがこれに当たります。計画書には具体的な取組内容や期間を記載し、審査を受けます。

【ステップ3】取組の実施と証拠の収集
計画が認められたら、実際に取組を行います。この際、重要なのが証拠の収集です。給与明細、出勤簿、研修実施記録、カリキュラム、受講者名簿など、後で提出する書類の裏付けとなる資料を整理しておきましょう。

【ステップ4】支給申請書の作成・提出
取組完了後、定められた期間内に支給申請書を提出します。ここで多くの企業が躓くのが添付書類の不備です。チェックリストを活用しながら、漏れがないよう確認することが大切です。

【ステップ5】審査と支給
申請書提出後は審査が行われ、問題がなければ2〜3ヶ月程度で指定口座に振り込まれます。審査中に追加書類の提出を求められることもあるため、迅速に対応できるよう準備しておきましょう。

実際の申請では、各制度によって必要書類や手続きが異なります。例えば、雇用関連の助成金ではハローワークや労働局が窓口になりますが、設備投資関連の補助金では経済産業省や中小企業基盤整備機構が窓口となることが多いです。

また、電子申請システム「jGrants」を利用できる補助金も増えています。GビズIDの取得が必要ですが、一度登録すれば様々な補助金申請に活用できるため、事前に準備しておくと良いでしょう。

申請時の失敗を防ぐコツとしては、期限に余裕を持って準備を始めること、不明点は早めに窓口に相談すること、そして専門家のサポートを活用することが挙げられます。特に初めての申請では、社会保険労務士などの専門家に相談することで、採択率を高めることができます。

助成金・補助金の活用は、企業の成長戦略に大きく貢献する可能性を秘めています。手続きの流れを正しく理解し、計画的に取り組むことで、限られた経営資源を効果的に活用できるでしょう。

2. 【保存版】年間100万円以上の差も!見落としがちな中小企業向け助成金・補助金TOP5

中小企業にとって助成金・補助金は大きな資金源となりますが、多くの経営者が「複雑で分かりにくい」という理由で申請を見送っています。実は申請すれば年間100万円以上の資金調達が可能なケースも少なくありません。ここでは特に見落としがちな重要な助成金・補助金TOP5を紹介します。

1. 事業再構築補助金

コロナ禍で打撃を受けた企業や新分野展開を目指す企業向けの大型補助金です。最大1億円の補助が受けられる可能性があり、採択されれば事業拡大の大きな推進力になります。特に「通常枠」と「卒業枠」の違いを理解し、自社に合った申請をすることが重要です。申請時は「具体的な数値目標」と「市場分析」をしっかり盛り込むことがポイントです。

2. ものづくり補助金

製造業だけでなく、サービス業も対象となる補助金です。設備投資や新製品開発に活用でき、最大1,000万円の補助が可能です。多くの中小企業が「自社は対象外」と誤解していますが、幅広い業種が申請できます。特に「革新性」をアピールする申請書の作成が採択率を高めるコツです。

3. 雇用調整助成金

人材確保や雇用維持に悩む企業にとって強い味方となる助成金です。特に繁閑の差が大きい業種や季節変動のある業界では積極的に活用すべきでしょう。一般的な認知度は高いものの、「特例措置」や「上乗せ措置」などの特別枠を知らない経営者が多いのが実情です。これらを理解して申請すれば、通常よりも高い助成率で支援を受けられます。

4. キャリアアップ助成金

非正規社員の処遇改善や正社員化を支援する助成金です。1人あたり最大80万円の助成を受けることができます。「正社員化コース」「賃金規定等改定コース」など複数のコースがあり、自社の状況に合わせた申請が可能です。特に複数のコースを組み合わせることで、効果的な資金調達ができます。

5. IT導入補助金

デジタル化に取り組む中小企業にとって見逃せない補助金です。会計ソフトやCRMツールの導入など、幅広いIT投資に活用できます。最大450万円の補助が受けられるケースもあり、特にテレワーク対応や業務効率化を進めたい企業には大きなメリットがあります。申請の際は「導入後の効果測定」について具体的に記載することが採択率向上につながります。

これらの助成金・補助金は、中小企業庁や厚生労働省のウェブサイトで最新情報を確認できます。また、複雑な申請手続きは商工会議所や社会保険労務士などの専門家にサポートを依頼することで、採択率を高められます。実際に東京商工会議所のデータによれば、専門家のサポートを受けた企業は採択率が約1.5倍高いという結果も出ています。

企業の成長フェーズや課題に合わせて最適な助成金・補助金を選択し、計画的に申請することで、大きな経営資源を獲得できるチャンスがあります。まずは自社の状況を整理し、どの助成金・補助金が最適かを検討してみましょう。

3. 【2024年最新】コロナ後の新制度も網羅!社労士が解説する申請すべき助成金・補助金ガイド

景気変動や社会情勢の変化に伴い、事業者向けの助成金・補助金制度も日々アップデートされています。特にコロナ禍を経た現在、多くの新制度が創設され、従来の制度も要件や金額が見直されました。ここでは、企業経営者や人事担当者が今押さえておくべき主要な助成金・補助金を厳選してご紹介します。

## 雇用関連の助成金

キャリアアップ助成金

非正規雇用労働者のキャリアアップを支援する制度です。正社員化コース、賃金規定等改定コース、健康診断制度コースなど複数のメニューがあり、従業員の処遇改善に活用できます。特に正社員化コースは一人当たり最大57万円(生産性要件を満たした場合72万円)が支給されるため、人材確保に悩む企業に大きなメリットがあります。

人材開発支援助成金

従業員のスキルアップを図る研修等に対する助成金です。特定訓練コース、一般訓練コース、教育訓練休暇等付与コースなどがあります。DX推進やデジタル人材育成に関する研修も対象となっており、時代に即した人材育成を行いたい企業におすすめです。経費助成は最大60%、賃金助成は1人1時間あたり最大960円となっています。

## 設備投資・IT化関連の補助金

事業再構築補助金

ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための企業の思い切った事業再構築を支援する補助金です。通常枠、大規模賃金引上枠、グリーン成長枠などがあり、最大1億円の補助が受けられます。採択率は約50%と比較的高く、新分野展開や業態転換を検討している企業は積極的に検討すべきでしょう。

IT導入補助金

デジタル化による生産性向上を目指す中小企業・小規模事業者向けの補助金です。通常枠、デジタル化基盤導入枠があり、会計ソフトやCRM、ECサイト構築などITツール導入費用の1/2〜3/4が補助されます。特にインボイス制度への対応を含むシステム導入は優先的に採択される傾向があります。

## 働き方改革関連の助成金

業務改善助成金

最低賃金の引上げに向けた中小企業・小規模事業者の生産性向上の取組を支援する助成金です。賃金引上げと設備投資等を行った場合、設備投資等に要した費用の一部が助成されます。最大で費用の4/5、上限額は最大450万円です。

両立支援等助成金

従業員の仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主を支援する助成金です。出生時両立支援コース、介護離職防止支援コース、不妊治療両立支援コースなどがあります。特に男性の育児休業取得を促進する「出生時両立支援コース」は社会的にも注目されており、男性育休取得率向上を目指す企業にとって有効な制度です。

## 新型コロナ後の注目制度

中小企業等事業再構築促進事業(新事業展開枠)

ウィズコロナ・アフターコロナの時代に対応するための新たなビジネスモデル構築や新市場開拓を支援します。特にデジタル技術を活用した業務効率化や新サービス開発に重点が置かれており、補助率は最大2/3、上限額は8,000万円と大規模な支援が得られます。

グリーントランスフォーメーション投資促進税制

脱炭素化に向けた設備投資を促進するため、省エネ性能の高い設備や再生可能エネルギー設備を導入した場合に、税制優遇を受けられる制度です。最大10%の税額控除または50%の特別償却が可能です。

これらの助成金・補助金は、申請期限や予算枠に限りがあるため、検討されている場合は早めに専門家に相談することをお勧めします。また、制度の詳細は頻繁に変更されるため、最新情報は各省庁や管轄機関の公式サイトで確認することが重要です。適切な助成金・補助金の活用は、企業の成長戦略に大きく貢献するでしょう。

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